織田裕二といえば今をときめく人気映画スターであり、スポーツ競技会の司会でも活躍しているマルチタレントです。織田裕二の芸能デビューは１９８７年の東宝映画「湘南爆走族」という映画の出演者オーディションに合格してからで、その後1990年頃には吉田栄作、加勢大周とともに平成御三家という通称でも呼ばれる人気者になったのです。

1991年にはフジテレビのドラマ「東京ラブストーリー」で永尾完治（通称カンチ）の役をやって大ブレイクし、月曜の夜、OLが街にいないという噂が流れ、「月9」という単語までこの作品をきっかに生まれた程です。この「東京ラブストーリー」は爆発的なヒットとなったのですが織田裕二的には意外にも人気以外の面で葛藤することがあったようです。

こうしたドラマはトレンディー路線やアイドル路線が強い傾向にあったので、主に20代の女性層を中心に人気となっていたのですが、織田裕二は本格俳優としての目標に向けて、その後はコメディや硬派なドラマ等にも出演し、実力派俳優として男性からも支持を得るようになってその地位を築いていったのです。

役作りにおいては服装や小道具にもこだわり、キャラクターを理解するのに時間をとりたいので、台本にも詳細な書き込みまでしているそうです。既に若い頃からこうした姿勢を持っていたのが織田裕二だったわけです。

織田裕二の代表作となっているのは「踊る大捜査線シリーズ」であることに異論をはさむ人はいないと思います。「踊る大捜査線」は絶大な人気を獲得し映画化もされました。映画化第１作目の「踊る大捜査線 THE MOVIE」は興行収入101億円、観客動員数700万人を記録して大成功だったのですが、次作の「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」では更に興行収入173.5億円、観客動員数1250万人という前作を上回るヒットとなり、実写邦画では歴代1位の売り上げ記録まで残しました。

こうした実績から、大森一樹監督などからも「日本映画界で数少ない名前で客を呼べる俳優」と評価されています。２００７年の映画「椿三十郎」で織田裕二を主演にした森田芳光監督も同様に「現在映画スターと呼べるのは織田裕二だけ」とコメントしています。

こんな織田裕二ですが、「映画とのギャップで夢を壊すと悪い」という意識を持っており、織田裕二自身も公私混同を非常に嫌がる性格であることから極力プライベートは明らかにしないことでも有名です。そのためか、バラエティー番組やお笑い番組にも殆ど出演したことがなく、珍しく出演した「SMAP×SMAP」でもバラエティーは恥ずかしくて苦手だと言っていました。ドラマ以外では世界陸上のスポーツキャスターを務めていますが、ここでは巧みで軽妙なトーク振りも披露しています。

織田裕二が通称月9と呼ばれるようになった「東京ラブストーリー」で人気を獲得したことは前に触れましたが、その後アクション物への比重が高く、恋愛物からは遠ざかっていました。そんな中で再びトレンディードラマの恋愛ストーリーを演じることになったのがやはり月9であり、それが「ラストクリスマス」です。これは2004年10月11日から12月20日までフジテレビ系で放送されましたが平均視聴率は20%代を確保して、その人気の健在ぶりを示すことになりました。

ここでの織田裕二は婚約を解消する役柄を演じており、プライベートとは随分異なった役柄となっています。織田裕二扮する春木健次はハートスポーツという会社の第一事業部主任で仕事もできる上司で、女性からも人気があり、部下からの信頼も厚いという人物なのですが。

プライベートでは婚約者だった仁美から婚約を解消されてしまった寂しい独身者となってしまうのです。そんな中で、仕事で赴いたニュージーランドで、取締役の秘書を勤めている清楚な女性、由季という女性に出会って恋をするという話です。由季役は最近押尾学と離婚した矢田亜希子で、今では清楚な秘書ですがその昔は暴走族のレディースでバリバリのヤンキーだったという設定になっています。

織田裕二は「東京ラブストーリー」以来、実に13年ぶりの月9で主役を演じたわけで。「東京ラブストーリー」と同様脚本は坂元裕二、プロデューサーは大多亮というタッグだったことでも話題になりました。まさに月9のラブストーリー路線の再確認や原点回帰という役割を織田裕二が果たした感じです。

織田裕二のプライベートでの結婚話はさっぱり出てきませんが、TBSの日曜劇場のテレビドラマ「冗談じゃない！」では結婚を題材にした内容で出演しています。そのストーリーですが、織田裕二扮する高村圭太は結婚の許しを得るため20歳も年下の恋人絵恋と共に彼女の生まれ故郷であるフランスのニースに赴くことから始まります。

そこで高村圭太はかつての恋人である理衣と再会するのですが、何とその理衣こそが絵恋の母親だったという奇想天外な設定となっています。それでも高村圭太は絵恋との結婚生活に入るのですが、会社でリストラに遭い、更に理衣が突然押しかけてくるという中で話が進んでいきます。理衣役は大竹しのぶ、絵恋役は上野樹里で、なかなか面白いドラマだったようです。

ちなみにこの頃映画優先だった織田裕二にとってテレビドラマはフジテレビ系ドラマ「ラストクリスマス」以来2年半ぶりのことであり、TBS系では「真夜中の雨」以来実に4年半ぶりの連続ドラマへの出演となっています。ただし、これのひとつ前に放送していた木村拓哉主演のテレビドラマ「華麗なる一族」に視聴率では大きく差をつけられており、興業面では少々シビアな状態だったともいえます。やはりアクション物でないと力が出なかったのでしょうか。

織田裕二はプライベートに関して一貫した秘密主義をとっているせいか、いろいろな噂話がネット上でも飛び交っています。はじめは織田裕二がホモだという内容が２００５年あたりから出ていました。それはアメリカ・サンフランシスコのいわゆるゲイエリアと呼ばれる地区で家を買ったということから始まっているようですが、それはカストロストリートという所で男性の恋人とバカンスを楽しんでいるなどと書かれています。

噂とは実に勝手なもので、相手は人気ミュージシャンの平井堅だったり、帝京大学の医学部生やタレントの加藤晴彦であったり根拠はさっぱりですがこうして名前も出てきたりしています。平井堅の場合には、織田裕二とカリフォルニアで結婚式をしたのが目撃されたとあって、しかもなぜかそのニュースを知っているのが行きつけの美容室の自称芸能通の美容師さんだったりするのですから信憑性を問う以前の問題かもしれませんね。

別のサイトでは書き込みをしている人の友人が結婚式にも出席したとなっています。少数派ですが氷川きよしとが本命などとも書かれています。こうした噂話が出るのは芸能人の宿命でもあるわけですが、特に織田裕二の場合は、プライベートについて話しませんし、なにしろバラエティーやトーク番組にも出演しませんから、こうした題材になりやすいのかもしれません。当分、織田裕二の結婚はドラマの中だけなのかもしれませんね。